「アトピー性皮膚炎」を予防するスキンケア
ぷるぷる肌がイメージの赤ちゃんですが、肌の機能がまだ整っていないので、実は大人よりもトラブルが多く、しっかりケアをしておかないと刺激に弱い状態にあります。実際、アトピーに頭を悩ませているお母さんはとても多いと思います。正しくスキンケアを行うことで症状を抑えたり軽くすることが可能ですので、新生児のうちからしっかりケアを行いましょう。
アトピー性皮膚炎とは
アレルギーの一種で、皮膚の炎症(湿疹など)を伴うものです。乳幼児期は、赤いポツポツができたり、乾燥して肌がガサガサになったりすることが多いので、アトピーとの見分け方が難しいです。乳児の症状は頭や顔からはじまり、慢性的に続く強いかゆみがあるようであれば、アトピーの可能性が高いです。
スキンケアとアトピーの関係
国立成育医療研究センターのアレルギー科グループの発表で、以下のような記述があります。
新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが分かりました。
乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーなどのアレルギー疾患の発症誘因となることが示唆されました。
出典:世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見(アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連) 国立成育医療研究センター
意外に知られていないことですが、生後すぐからのスキンケアがアトピー性皮膚炎の予防につながることは、皮膚科学の世界でも実証されています。新生児のうちから保湿を心がけていると、アトピー性皮膚炎のリスクを3割減らすことができたという報告もあるようです。また、アトピー性皮膚炎の発症が、食物アレルギーを誘因する可能性もあるようなので、十分気を付けたいものです。
入浴と保湿が正しいスキンケアの鍵
▼入浴でのポイント
- 石鹸を十分泡立てた状態で洗います。固形石鹸であれば泡立てネットを使用したり、また泡で出てくる赤ちゃん用のボディソープが大変便利です。
- 手で優しく洗ってあげます。タオル等を使う場合は、ガーゼややわらかい素材のものを使用しましょう。
- お風呂上りは、タオルでこすらず、ポンポンと優しくたたくように拭いてあげましょう。
- 下着は肌に優しい素材のものを着用しましょう。
▼保湿でのポイント
- 新生児のうちからスキンケアを始めましょう。
- 1日3~4回、頻繁に保湿しましょう。
- 首、膝裏、耳の後ろ等、関節やしわがあるところは伸ばして塗り込みましょう
- 身体が温まる入浴後が一番効果があります。入浴後は5~10分以内に保湿しましょう。
スキンケアにはどのような保湿剤が良い?
クリームやローション等、季節や赤ちゃんの状態に合わせて、低刺激のものを選びましょう。ローションの方が塗りやすいので、日中はローション、夜はクリームでスペシャルケアと、使い分けても良いです。皮膚のバリア機能を正常に保つためには、下記の成分が重要です。特にうるおいを保つセラミドは、アンチエイジングでも注目されている成分です。保湿剤の成分を確認し、セラミド配合のものを選ぶことをオススメします。
1 天然保湿因子
皮膚の角質細胞の内部に水分を補給します。アミノ酸などの成分があります。
2 セラミド
角質細胞の間を繫ぎ、水分を保持する役割を果たしています。
3 皮脂
皮脂膜を強化して水分の蒸発を防ぐ働きがあります。類似成分にはスクワランなどがあります。
スキンケア教室も活用しよう!
最近では、全国各地で、赤ちゃんのベビーマッサージやスキンケア教室が開催されています。肌の構造や、効果のある保湿剤等の勉強できますので、機会があれば参加してみると良いと思います。
また、毎日スキンケアを行っていても、体質があれば症状が現れます。アトピーのような症状が見られた場合は、深刻な状態になる前に、すぐに病院の先生の指示を仰ぎましょう。
参考
乳児のアトピー性皮膚炎 よしだクリニック
「アトピー性皮膚炎の方のためのスキンケア」 持田ヘルスケア株式会社
発症リスクが○割減! 赤ちゃんの“アトピー”を予防するスキンケアの効果 パピマミ
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